中国人の帰化申請手続きの流れ

申請(必要書類)の収集

・出生公証書(ご自身について)
・死亡公証書(両親等について)
・結婚公証書(両親やご自身について)
・離婚公証書(両親やご自身について)
・親族関係公証書(在日されている方についても記載入りのもの)

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提出書類の作成・点検

国籍証明書の取得

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法務局・地方法務局又はその支局に申請

諸官庁照会

※諸官庁(申請人の申請内容にかかる)
(1)法務省秘書課個人情報係
(2)税務署
(3)年金事務所
(4)市区町村役場
(5)警視庁(その他管轄都道府県警)
(6)公安調査庁
など

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書類審査・調査開始

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審査面接(インタビュー)・追加提出書類指示・補完

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日本国籍取得が許可された場合

①官報告示 ②官報告示 ③帰化届の提出・在留カードの返納 ④新戸籍編製・住民票(職権記載)

帰化は法務局の管轄です

帰化許可申請は、入国管理局ではなく民事局(法務局)の管轄です。専門家(行政書士など)への相談を行い、専門家と最寄りの法務局に予約をとり事前相談することからスタートします。

専門家(行政書士など)に相談しましょう

専門家に相談することにより、申請者が帰化(国籍を日本に変更)許可申請の要件を満たしているかどうかを客観的に確認することができます。
また、帰化許可申請にあたって提出しなければない書類も教えてもらえます。

提出書類を収集します

専門家に相談し、必要な書類が解ったらさっそく書類の収集に入ります。国籍を日本に変更する外国人の方は日本の官公庁だけの請求だけにはとどまりません、本国から取り寄せなければならない書類(国籍によって全て違う。)もあります。

また、収集を始めてから証明書(本国の卒業証書・資格証書など)の不備に気づくなど予想以上に時間と手間がかかるので注意が必要です。

提出書類を作成します

提出書類は官公庁から取り寄せる書類だけでなく、申請者が作成(専門家に依頼した場合は契約内容により専門家がほとんどあるいは一部を作成する。)しなければなりません。

さらに、本国から取り寄せた書類には邦訳文(日本語:翻訳者記載)の添付を義務づけられています。これも収集と同様、時間と手間がかかります。

時間のかかりすぎに注意しましょう

帰化許可申請は時間がかかるものですが、あまりのもかかりすぎる場合には仕切り直しが必要です。たとえば法務局に最初の相談をしてから3ケ月以上が経っても申請書類が集まらず、法務局に申請できないような場合は思い切って専門家(行政書士など)に相談(それも帰化申請の経験が豊富なプロに相談することをお勧めします。)した方が無難でしょう。

その理由は、ずばりそれ以上の時間を掛ければ掛けるほど気持ちが折れて帰化を断念することにつながるからです。

また、たとえ行政書士に依頼した場合でも(さしたる理由もなく)3~6ケ月経っても帰化許可申請書類を法務局に提出できないようでしたら、やはりこれも再検討が必要でしょう。

申請

申請も最初の相談と同じく、電話で予約を入れてから法務局で行います。申請は申請者本人もしくは専門家が法務局の窓口で行います。(原則、本人出頭主義)

ただし、15歳未満の申請者は法定代理人(親権者など)が行います。
なお、相談予約の際に1ケ月近く待たされたような法務局ですと、申請の予約でもやはり1ケ月近く待たされることを覚悟しておかなければなりません。

善は急げの精神で、思いたったらすぐに実行に移すことが迅速な手続きのカギと言えるでしょう。

審査面接

担当事務官からの質問内容

帰化申請の際に申請書類に不備がなければ法務局で受理され受付番号が付与されます。(※受付番号が付与されない法務局もあります。)その後早ければ3ヶ月から遅くとも6箇月後ぐらいに、担当事務官から連絡があり審査面接の日程が決められます。

そして決められた日程に法務局に出頭して面接を行うわけですが、この担当官とは面接のときに初めて対面するため申請者の方はとても心が張り詰めた状態になるようです。

<入国(渡日)から現在までの経緯>

『引き続き五年以上日本に住所を有すること』の経緯や経歴を確認するために行われる質問で日本に入国してから現在までの在留歴全般と、申請者の特定のための基礎となる母国での出生地の確認、母国での経歴等の確認が行われます。

・出生地はどこか?
・渡日した大きな動機(きっかけ・理由)
・来日から現在までの経緯(居住歴 職歴 バイト歴 学歴 婚姻歴)
・婚姻歴については、知り合ったきっかけ、交際期間、結婚を決断した理由、などが婚姻ごとに聞かれます。

申請確認資料

・帰化許可申請書、履歴書(その1)
・最終学歴卒業証書(大学を卒業している場合には、学部、何を専攻したのかなどを確認されます。
・土地建物登記事項、賃貸借契約書
・出生届記載事項証明書(子供)
・出生証明書(本国・申請人)

<家族・婚約者について>

それぞれの親や、義父、義母、兄弟姉妹がどこで何をしているか、分かる範囲で答えられるようにしておきます。

・両親の賛成、反対 それぞれの場合の理由
・在留中の兄弟姉妹の帰化状況(予定・希望)
・在留中の兄弟姉妹の婚姻状況 配偶者の国籍、仕事、子供の有無
・各同居者の有無、年齢、続柄等
など

申請確認資料

・親族の概要(日本)(外国)
・婚姻関係の証明書
・婚姻届記載事項証明書
・出生証明書(兄弟姉妹等)

<健康状態>

最近の体調や、以前からの持病、入院歴、通院歴、病名なども覚えている範囲で答えられるようにしておきましょう。

違法行為、不法行為、犯罪、その他関与等

・警察に係わった事件の有無及びその内容
・交通違反歴(最新)
・銀行口座からの出入歴など(多額支出、入金の理由、相手先)
・これまでに交通違反をはじめとする法違反を行ってしまったことがあるからは当時を振り返り、その違反行為について現在は、どのように感じていて、その後はどの様な点に気を付けて暮らしているか。又は、暮らしていこうと思っているか(反省度合いと更正の様子を改めて確認する趣旨)
など

申請確認資料

・履歴書(その2)
・預金通帳の写し
・預金残高証明書
・運転記録証明書

<仕事内容>

仕事については、申告している内容で本当にその会社で働いているのか?をはじめとし、出入国管理法の就労制限等(とくに、家族・妻や夫・子供など)、在留資格に沿った適正な就業履歴であるか否かの確認として会社名、業界、業種、サービス内容、担当業務内容などの確認と反社会的な営利活動や違法な風俗業界での就労などに携わっていないかが、確認されます。

・職業経歴、アルバイト経歴、就職歴
・各会社名、業種
・給料の額
・それぞれ具体的な仕事内容
(1日の流れ、どんな作業、どんな相手先、業務ノウハウ、失敗・成功談など実際に仕事に携わっていないと答えられない内容の質問がされます。)
・職場の人員構成、平均年齢、人間関係、それぞれの方の担当業務
・各通勤時間、一ヶ月の定期代など
・転職予定
など

申請確認資料

履歴書(その1)
・勤務先事業所付近の略図
・在勤及び給与証明書
・法人登録事項証明書
・源泉徴収票
・技能及び資格証明書
・健康保険証(社会保険)

婚姻について

いわゆる偽装結婚ではないか、配偶者は真面目な人物であるかといった観点からの質問がされます。

・職業経歴、アルバイト経歴、就職歴
・配偶者と知り合った時期・場所
・配偶者と付き合い始めたきっかけ、及び交際期間
・配偶者も外国籍の場合は、帰化意思の有無
・配偶者の会社名、仕事内容、就業場所
・配偶者の給与額
など

申請確認資料
・履歴書(その1)
・母国での婚姻関係の証明書
・日本国での婚姻届記載事項証明書

<年金保険料・各種税金の支払い状況について>

申請受付の時点では納付していても、申請後に未納となった場合に不許可となります。

☆住民税課税証明書
☆法人税、事業税、消費税の納税証明書
☆確定申告書、決算書の写し(申請後、新たに期限到来の場合、追加提出となる。)
☆申請日以降から現在までの国民年金の領収書
☆申請受付日以降の国民年金保険料の領収書
☆配偶者が事業主(個人事業主)の場合、厚生年金、国民年金の納付記録
☆母国の両親等親族を扶養に入れている場合、当時の送金記録の証明書
など

<日本語能力テスト>

審査面接終了後あるいは面接途中で、日本語能力テストがあります。テストの内容は日本語の読み書き、小学2~3年レベルで、出題問題数は20~40問ですが、意外に難しい内容です。

又、出題された問題が60%~70%程度出来ないと帰化申請は不許可になります。

<職場調査>

1.サラリーマン(給与所得者)の場合

サラリーマン(給与所得者)は、勤務先の上司には必ず連絡があります。具体的に説明すると、普段の勤務態度や社内での役割や社員間でのコミュニケーションなど多岐にわたります。

2.経営者の場合

他方、会社を経営している方(事業所得者)の場合には、取引先など詳細な聞き取り調査があります。基本的には電話連絡ですが、取引内容が複雑だったり、申請人本人に対するインタビュー時に取引内容が明確に答えられなかった場合などは直接取引先に出向いて聞き取り調査を行う場合があります。

職場調査の時期については、目安として面接と同時期と考えられます。しかし担当事務官(調査官)によっては申請後早い段階で連絡がある場合、又は面接後しばらくしてから連絡や調査がある場合がありますので時期の決まりはありません。

又、特別永住者(在日)の方の場合には、ほぼ日本人と変わらぬ生活をしてきたので、職場や取引先には国籍を伏せている場合が多いので、法務局(当局)としては一定の配慮がされますが、勤務実態に懸念がある場合や、経営実態に疑義(取引先との内容がはっきりしない場合や疑わしい場合など。)がある場合には、特別永住者であっても必ず聞き取り調査があるので注意が必要です。

さらに、特別永住者以外(永住者・定住者・日本人の配偶者・人文知識国際業務等)の方の申請は、必ず職場への調査、取引先の聞き取りで実際に取引先に訪問される場合もあるので準備が必要です。